医学:MX2はHIV-1感染に対するインターフェロン誘導性阻害因子である
Nature 502, 7472 doi: 10.1038/nature12653
HIV-1の複製はI型インターフェロン(IFN)によって阻害され、また抗HIV-1活性を持つ複数の遺伝子産物の発現がI型IFNによって誘導される。しかし、I型IFNがヒト細胞でのHIV-1複製サイクルの初期、つまり組み込み前の段階を阻害可能であることの説明となる抗レトロウイルスタンパク質はまだ見つかっていない。我々は、HIV-1複製サイクル初期段階でのIFN-αの阻害作用を支持する活性が異なる細胞株の遺伝子発現プロファイルの比較を行い、MX2(myxovirus resistance 2)がHIV-1感染のインターフェロン誘導性阻害因子であることを突き止めた。MX2発現は、さまざまなレンチウイルスに対する侵入許容性を低下させるが、RNA干渉を用いたMX2の除去は、IFN-αの抗HIV-1活性を低下させる。MX2を発現している細胞では、HIV-1の逆転写は正常に進行するが、HIV-1の2-LTR(2-long terminal repeat)型環状DNAの量は減少することから、MX2はHIV-1の核内取り込みを阻害するか、あるいは核内にあるHIV-1 DNAを不安定化すると考えられる。これと一致して、HIV-1によって使用される核内移行経路を変化させることが知られている、もしくは変化させると考えられているHIV-1キャプシドタンパク質の変異は、MX2に対する抵抗性を付与するが、細胞分裂を阻止してやるとMX2の抗HIV-1能が増強される。まとめるとこれらの知見は、MX2がI型IFNの抗HIV-1活性のエフェクターであることを示しており、またMX2がウイルス成分複合体のキャプシド依存性核内取り込みの阻害によってHIV-1感染を抑制することを示唆している。

