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システム生物学:サイクリックAMPシグナル伝達による細菌のプロテオームと代謝の調整

Nature 500, 7462 doi: 10.1038/nature12446

大腸菌(Escherichia coli)におけるサイクリックAMP(cAMP)依存的なカタボライト抑制は生物学で最も研究が集中している調節過程の1つである。しかしながら、cAMPシグナル伝達の生理学的な機能やその分子的なきっかけは明らかになっていない。今回我々は、定量的な生理学手法を用いて、cAMPシグナル伝達が、指数関数的な増殖の際の細胞の代謝要求に従って、異化作用タンパク質の発現を生合成タンパク質およびリボソームタンパク質に合わせて緊密に調整していることを示す。炭素異化作用遺伝子の発現は、炭素の流入制限による増殖速度の減少に伴って線形的に増加するが、窒素あるいは硫黄の流入制限による増殖速度の減少に伴って線形的に減少した。それとは対照的に、生合成遺伝子の発現は、増殖速度に対して、異化作用遺伝子とは逆の線形依存性を示した。また、粗粒度数学モデルにより、異化作用の制限および同化作用の制限に応答する遺伝子発現を理解し、予測するための定量的枠組みが得られる。我々は、代謝の前駆体によるcAMPシグナル伝達の阻害を特徴とする必須のフィードバック制御体系を考案し、その妥当性を証明した。これらの結果はcAMP依存的なカタボライト抑制の生理学的に重要な役割を明らかにしている。つまり、栄養環境が異なる場合、プロテオーム資源が、異なる代謝区分で必要に応じて消費されることを確実にしているのである。今回の知見は、複雑な分子シグナル伝達ネットワークの基本的な機能を解明する際に、定量的な生理学が有用であることを強調している。

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