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遺伝:21トリソミーへの遺伝子量補償の適用
Nature 500, 7462 doi: 10.1038/nature12394
ダウン症候群は第21染色体の三染色体性(トリソミー)に起因するよく見られる疾患であり、医療費や社会的コストは莫大である。我々は、XIST(X不活性化遺伝子)1つだけを操作することで、余剰染色体全体にわたる遺伝子不均衡を事実上補正できるという概念を検証した。ジンクフィンガーヌクレアーゼを用いたゲノム編集により、巨大な誘導性XIST導入遺伝子を、ダウン症候群患者由来の多能性幹細胞の第21染色体のDYRK1A遺伝子座に挿入した。XISTの非コードRNAは第21染色体を包み込み、安定的なヘテロクロマチン修飾、染色体全体の転写サイレンシング、DNAメチル化を引き起こし、「第21染色体のバー小体」を形成した。この結果は、ヒト染色体不活性化を研究するモデルとなり、ゲノムの発現変化および21トリソミーの細胞病理を遺伝学的あるいはエピジェネティックなノイズなく調べられる系につながる。とりわけ、増殖および神経ロゼット形成の遅れは、1つの第21染色体をサイレンシングすることで速やかに回復した。in vitroで三染色体性のサイレンシングが成功したことは、「染色体治療」開発の可能性に向かう大きな第一歩でもある。

