Letter
光学:シリコン微小機械共振器からのスクイーズド光
Nature 500, 7461 doi: 10.1038/nature12307
機械的物体の運動をモニタリングすると、光を軽く当てただけでも、その動力学は基本的に変化する。量子力学のこの基本原理、その光量子性との関連性、量子測定の巨視的領域への拡張を実験により明らかにすることは全て、過去半世紀にわたって大きな注目を浴びてきた。高精度な力測定の光学読み出し雑音を低減する手段として、量子ゆらぎが真空場のものより小さいスクイーズド光を使うことが30年近く前に提案された。逆に、光により反射鏡の位置を連続測定すると、それ自体からスクイーズド光が発生することも提案された。そのようなスクイーズド光の発生は、最近その重心運動が反射鏡の運動に似ている極低温気相原子系において実証された。本論文では、シリコンマイクロチップから作製され、ナノフォトニック共振器と結合した微小機械共振器からなる固体オプトメカニカル系の連続的な位置測定について報告する。この共振器中へ送ったレーザー光を使って、機械共振器の位置のゆらぎを、その共振周波数と同程度、かつその熱デコヒーレンス速度よりも大きい測定率で測定した。機械共振器は高励起の熱的状態(104個のフォノン)にあるが、ホモダイン検出によって、28 MHzの機械共振周波数付近で数メガヘルツの帯域幅にわたって真空雑音のゆらぎスペクトルより4.5±0.2%低いレベルで、反射光のゆらぎスペクトルのスクイージングを観測した。さらにデバイスを改良すれば、高いレベルのオンチップスクイージングが可能となるはずであり、このような集積したマイクロスケールのデバイスは高精度な計測学の応用に極めて適したものになるはずである。

