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分子進化学:代謝系で外適応によって進化上の新機軸が生じるための潜在能力

Nature 500, 7461 doi: 10.1038/nature12301

進化上の新機軸の中には、他の適応的形質の副産物である外適応あるいは前適応として、非適応的に生じるものがあると考えられている。例としては、羽毛(飛翔に使われるより前に生じていた)や水晶体クリスタリン(光を屈折させるタンパク質で、元は酵素として生じた)などがある。適応的形質のうち非適応的に生じたものがどのくらいの割合なのかという問題は、進化生物学に重要な意味を持つが、系統立てて取り組むのは難しい。今回我々はこの問題を、最古の起源を持つ生体系の1つであり、あらゆる生物にとって重要である代謝において考察した。我々が解析したのは、1つの代謝反応ネットワークが単一の炭素源とエネルギーからあらゆる生体物質を合成する能力という、適応的に非常に重要な代謝形質である。我々は新しい演算手法を用いて、ある1つの炭素源で生命を維持できるがそれ以外にもランダムな既知の生化学反応群を含む代謝ネットワークを、ランダムに多数抽出した。そうしたネットワークを、ある特定の炭素源を使うことで成立可能になるようにさせると、それらのネットワークは概して、選択の対象となっていない他の複数の炭素源を使っても成立可能になることが分かった。例えば、グルコースを使うことで成立可能であれば、他に最大で44種類の単独炭素源を使っても成立可能になる可能性がある。これらの代謝系で生じたどの1つの適応にも、概して、複数の潜在的な外適応が伴っている。従って代謝系は、進化的な新機軸を非適応的に生じる能力を潜在的に持っている。これらの観察結果から、非適応的に生じた代謝形質の数は現在考えられている以上に多い可能性が示唆され、また、果たして我々には適応的形質と非適応的形質が区別できるのかという疑問も生じる。

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