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発生:三次元培養下での多能性幹細胞からの内耳感覚上皮の作出
Nature 500, 7461 doi: 10.1038/nature12298
内耳には、頭部の動き、重力および音を検出する感覚上皮がある。これらの感覚上皮が多能性幹細胞から発生する仕組みについては不明だが、この過程は内耳疾患モデルの作製や、重度の難聴および平衡感覚障害に対する細胞療法の開発を行う上で、非常に重要になるだろう。内耳の機械感受性有毛細胞および感覚ニューロンを作り出すこれまでの試みでは、幹細胞から内耳様細胞への非効率的な、あるいは不完全な表現型の転換しかできていない。これらの先行研究に欠けていた主要な識見は、内耳発生に決定的な2つの前駆組織である非神経外胚葉と前プラコード外胚葉の重要性である。本研究では、三次元培養下におけるマウス胚性幹(ES)細胞からの内耳感覚上皮の段階的な分化について報告する。シグナル伝達経路を時間的に適切に制御してin vivo発生を再現することで、ES細胞塊が非神経、前プラコード、耳プラコード様上皮へと連続的に変換していくことが分かった。特に、正常発生を模倣した自己組織化過程で、感覚細胞の前駆体を含む小胞が予定耳プラコードから生じ、不動毛束と運動毛を有する有毛細胞を生み出すことは注目に値する。さらに、これらの幹細胞由来の有毛細胞は、天然の機械感受性有毛細胞の機能的特性を示し、同じく培養下でES細胞から作出した感覚ニューロンと特殊化したシナプスを形成する。また、これらの小胞が、構造的にも生化学的にも、発生中の耳前庭終末器官に類似していることを示す。従って今回の結果は、内耳分化の新しいin vitroモデルを確立するものであり、このモデルは内耳の発生と疾患をより深く理解するために用いることができる。

