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地球化学:微小なバッデレイ石と放出中に生じたジルコンを使った火星隕石年代問題の解決

Nature 499, 7459 doi: 10.1038/nature12341

惑星のダイナミクスと進化に関する非常に貴重な記録は、1つの隕石に対する地球化学的分類学から復元することができる。しかし、火星から放出された火成地殻の年代の解釈には最大40億年ほど幅があり、この難問は、地球に向けてデブリを放出した衝突イベントの年代と形成年代を区別するには地球化学を適用するだけでは難しいということに、ある程度起因している。本論文では、侵食耐性の微小鉱物バッデレイ石(ZrO2)と、強い衝撃変成を受けたシャーゴッタイトNorthwest Africa 5298中のホスト火成鉱物のin situ電子線ナノ構造分析とU–Pb(ウラン–鉛)同位体測定を組み合わせることによって、この難問を解いた。このNorthwest Africa 5298は、玄武岩質火星隕石である。微小なバッデレイ石グレインは、ホスト火成鉱物と同源で衝撃変成を受けており、マグマ冷却に伴う一次累帯構造を保存しているので、それらのグレインが放出イベントの前から存在していることを我々は証明した。衝撃擾乱の影響を最小限しか受けておらず放射性鉛に富んでいるグレインから、今から1.87±0.33億年前に火星表面近くで玄武岩の結晶化が起きたことが分かった。ホスト鉱物の始原的な非放射崩壊起源の鉛の同位体成分は、多くのシャーゴッタイトに共通で、隕石の年代決定には役立たず、むしろ、マグマ発生源域が40億年以上前に分別され、現状では火星に特有とされる永続的なマントル貯留部を形成したこと示している。隕石は2,200±200万年前より後に火星から放出され、その放出の最中に起きた局所的な衝撃融解により、放出で生成されて衝撃痕がないジルコンが成長し、バッデレイ石年代が部分的に擾乱を受けた。このように我々は、若く火山活動の活発だった火星の真下に対流運動をしない古いマントルが存在したことを確認し、放出された火星地殻が惑星間を移動する時間に上限を与え、さらに、内部太陽系の地質年代学への新しいアプローチの妥当性を確認することができる。

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