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材料科学:存在を感じさせない超軽量プラスチック電子デバイス設計

Nature 499, 7459 doi: 10.1038/nature12314

電子デバイスは、重くてかさばる形状から進化し、高性能モバイル機器を実現するなど、大きな成長を遂げてきた。しかし、依然として堅く曲げにくいため、日常生活や身の回りのあらゆる場所に深く、広く浸透するに至っていない。フレキシブルで、ゴムのように伸縮可能で、テキスタイル(織物)のように形状変形可能な電子デバイスの開発は、新しい研究分野であり、基幹技術として近年大きな注目を集めている。過去の研究において、厚さわずか3 μmの金属箔上にアモルファスシリコンを用いた電界効果トランジスターを作成し、割れないローラブル(巻き取れる)ディスプレイ用途のバックプレーンへの応用が報告されている。また、高分子フィルム基板上のフレキシブル電子デバイスにおいては、0.1 mmの折り曲げ半径まで正常に動作することが報告されている。近年では、単に折り曲げられるだけでなく、複雑な三次元形状へも適用できる「さらに柔軟な電子デバイス」が求められてきている。そのような「さらに柔軟な電子デバイス」は例えば、柔軟な圧力、温度、光センサーへの応用が期待されており、以下の作製方法が報告されている。非常に薄いポリイミドフィルム上に作成したシリコンCMOS回路をあらかじめ伸張させておいた薄膜ゴム基材に転写する方法、ポリイミドフィルム上に作製した有機電界効果トランジスター(OFET)と伸縮自在な導電体を集積化する方法、伸縮可能なゴム基板上にOFETと伸縮自在な金配線を集積化する方法である。今回我々は、究極の機械的フレキシビリティーを有し、かつ極めて薄いために存在を感じさせない電子デバイス(imperceptible電子デバイス)を実現する技術について報告する。我々の電子デバイスは、非常に薄い(1 μm)ポリマーフィルムの上に直接作製されており、軽く(3 gm−2)、周囲のあらゆる動きにも追従できる究極の柔軟性を有している。このimperceptible電子デバイスは、室温で形成された厚さ数ナノメートルの超高密度酸化物ゲート絶縁膜を用いた有機トランジスターで構成されており、これまでにない機械的安定性と環境安定性を持つ高機能大面積電子デバイスである。半径5 μm以下の折り曲げひずみを繰り返し加えたり、紙のようにくしゃくしゃに丸めたりしても、デバイス特性は変化しない。さらに、この薄膜電子デバイスを、あらかじめ伸張させておいたゴム薄膜上へ固定することで、最高230%の伸張が可能となった。高温環境や水性環境で動作することも確認した。各材料に有機材料を用いているため、将来的には製造コストを低く抑えられる可能性がある。そのため、今回開発した「存在を感じさせない超軽量プラスチック電子デバイス」は、現在のラップと同じくらい普及する可能性を秘めている。将来は、ヘルスケア・モニタリング用のマトリックスアドレス型触覚センサー、薄膜ヒーター、温度・赤外線センサー、ディスプレイ、有機太陽電池など、さまざまなエレクトロニクスへの応用が期待される。

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