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進化:ショウジョウバエで起こった祖先の性染色体から常染色体への逆戻り
Nature 499, 7458 doi: 10.1038/nature12235
性決定機構の転換は、同型性染色体を持つ種では頻繁に起きているが、異型性染色体は、遺伝子量補償や性特異的変異の蓄積などの染色体特異的な適応があるため、進化の最終段階を表していると考えられている。本研究では、ショウジョウバエ(Drosophila)の常染色体の1つである点状染色体が、祖先においてX染色体から分化したことを示す。ミバエ科、ニクバエ科、ミズアブ科に関して全ゲノム解析を行ったところ、ショウジョウバエの点状染色体に存在する遺伝子群がこれら外群の種ではX連鎖性であり、ショウジョウバエのX連鎖遺伝子群が外群の種では常染色体にあることが明らかになった。我々はショウジョウバエ科の他のハエについてゲノムを解読することで、この染色体の転換がショウジョウバエ科進化の初期に起こったことを突き止めた。この結果から、ショウジョウバエの点状染色体の生物学的性質の持ついくつかの不可解な側面、例えば、性決定においてわずかな雌化作用を持つことや、染色体特異的な調節機構の標的となることなどは、かつて性染色体だったことの名残である可能性がある。また、初期胚発生や卵形成、精子形成に際した点状染色体の偏った遺伝子発現パターンが、現在のX染色体のものと似ていることも明らかになった。従って、性染色体は必ずしも進化の終点ではなく、常染色体遺伝へと逆戻りできるが、かつてX染色体だったこの点状染色体の高度に特殊化したゲノム構造から、こうした転換が起こるには重大な適応度コストが克服されなければならないと考えられる。

