Letter
発生:in vivoでの心臓の再プログラム化がゼブラフィッシュの心臓再生に寄与する
Nature 498, 7455 doi: 10.1038/nature12322
現行の治療法を用いても、心不全はいまだに先進各国の主要な病因および死亡原因となっている。これは、成体哺乳類の心室心筋細胞には分裂して虚血誘発性の梗塞によって失われた心室心筋を置換する能力が乏しいためである。従って、新しい心室心筋を作り出す細胞の供給源や手法の候補を見つけることに大きな関心が集まっている。過去の研究で、魚類と両生類、および出生後早期の哺乳類の心室心筋細胞は、分裂して損傷を受けた心室の再生を助けられることが示されているが、最近の研究では、内在するさらに別の供給源がこの心室再生全体に関わっている可能性が示唆されている。本研究では、ゼブラフィッシュ(Danio rerio)で、蛍光レポーター導入遺伝子と、遺伝学的運命マッピング法、および心室特異的な遺伝学的心筋細胞破壊システムを組み合わせたものを開発し、分化した心房心筋細胞は心室心筋細胞へ分化転換でき、ゼブラフィッシュの心室再生に寄与することを見いだした。我々はin vivo微速度撮影共焦点画像化により、心房細胞から心室細胞へ分化転換中の心筋細胞の動的な細胞現象を観察し、中間の心臓再プログラム化段階を明確にした。心室細胞破壊後に心房心内膜でNotchシグナル伝達の活性化が観察され、Notchシグナル伝達を抑制すると心房細胞から心室細胞への分化転換と心臓再生が阻害されることがわかった。以上の結果は、心筋損傷時の心臓細胞系譜の可塑性についての証拠を示すだけでなく、心室再生のための新しい、豊かな細胞供給候補が心臓内に存在するというさらに重要な可能性を示している。

