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構造生物学:C型肝炎ウイルス由来p7チャネルの珍しい構造

Nature 498, 7455 doi: 10.1038/nature12283

C型肝炎ウイルス(HCV)は小さな膜タンパク質p7を産生する。このp7は非常に自己集合しやすく、陽イオンを選択的に透過させる大きなチャネル複合体を作り出す。p7は原核生物、真核生物の既知のチャネルタンパク質のいずれとも相同性を持たないので、我々は、このビロポリン(viroporin)がどのような構造をとることによって選択的な陽イオン透過性を獲得するかを検討することにした。p7の活性は、インフルエンザM2チャネルの強力な遮断薬で抗インフルエンザ感染薬として認可されているアマンタジンとリマンタジンによって、阻害できる。そのため、アダマンタン誘導体はHCVの臨床試験に供されてきたが、HCVの多様な遺伝子型間で薬効が大きく異なっており、詳細な分子構造の情報なしにはこの薬効のばらつきを説明することは難しかった。今回我々は、最新の核磁気共鳴(NMR)技術を使って、HCVビロポリンとその薬物結合部位の構造を決定した。構造は独特の集合様式を持つ六量体で、p7モノマーであるiはそれぞれ、隣接するモノマーと相互作用するだけでなく、さらに遠くまでのびてi+2およびi+3モノマーと会合し、精巧な漏斗状立体構造を形成している。この構造からは、陽イオン選択機構も示唆される。アスパラギン/ヒスチジンの作るリングが漏斗の細い方の端を狭め、広範な陽イオン選択性を持つフィルターとして機能している一方、漏斗の広い方の端を形作るアルギニン/リジンのリングは選択した陽イオンだけをチャネル内へと拡散させている。ホールセルチャネル記録を用いた機能研究により、これらの残基がチャネル活性に極めて重要であることが示される。チャネル–薬物複合体のNMR計測から、辺縁へリックスとポア形成へリックスの間に、アマンタジンまたはリマンタジンが結合する6つの同等な疎水性ポケットが存在することが明らかとなった。この部位に特異的に結合する化合物ならば、チャネルの開口を抑制することで、陽イオン透過をアロステリックに阻害するだろう。我々のデータによって、p7-介在性陽イオン透過とアダマンタン誘導体によるその阻害の分子機構が説明される。

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