Letter
量子物理学:光と光学的原子励起の量子もつれ
Nature 498, 7455 doi: 10.1038/nature12227
量子ネットワークにおける量子もつれの生成、分配、制御は、量子情報科学の主要な目標の1つである。これまでの研究では、単一原子や原子集団の超微細基底状態と、自然放出光の間で量子もつれが形成されてきた。しかし、自然放出過程の確率的性質によって、量子もつれ生成に要する時間が長くなり、実装できるネットワークのノード数はたった2個に限定されている。原子光子量子もつれプロトコルの成功確率は、高フィネス光共振器中に単一原子を閉じ込めることで向上できる。また、スケーリング特性の優れた量子ネットワークは、基底電子状態と高励起(リュードベリ)電子状態の量子重ね合わせ状態にある原子と光場との量子もつれを用いて実現できる可能性がある。本論文では、そうした量子もつれの生成について報告する。電子状態に敏感でない閉じ込め手法を用いることにより、光格子中における極低温原子ガスの基底状態とリュードベリ状態両方に対して、光原子コヒーレンスの位相緩和を抑制した。我々の結果によって、長寿命の原子メモリー間で決定論的な量子論理演算を行うことができる、機能的な多ノード量子ネットワークへの道が開かれる。

