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がん:KRAS–PDEδ相互作用の低分子化合物による阻害は発がん性のKRASシグナル伝達を障害する
Nature 497, 7451 doi: 10.1038/nature12205
KRASがん遺伝子の産物は、抗がん剤開発の主要標的の1つと考えられている。しかし、KRASシグナル伝達の直接的阻害は臨床的に有効な薬剤にいまだにつながっていない。ファルネシル化されたKRASの適切な部位への局在とシグナル伝達は、プレニル基結合タンパク質PDEδにより調節されており、PDEδはKRASの細胞質内での拡散促進によって空間的秩序を維持している。今回我々は、哺乳類PDEδへのKRAS結合の低分子化合物による阻害が発がん性RASの内膜への局在を変化させ、これが発がん性RASシグナル伝達を抑制する新規な手法となることを示す。生化学的スクリーニングと続いて行われた構造を基盤とするヒット化合物最適化によって、KRAS–PDEδ相互作用の阻害剤が得られた。これらの化合物は、ナノモーラーの親和性でPDEδのプレニル基結合ポケットに選択的に結合し、発がん性RASシグナル伝達を抑制し、発がん性KRAS依存性のヒト膵管腺がん細胞の増殖をin vitroおよびin vivoで阻害する。我々の結果は、発がん性RASを標的とする薬剤の開発を目指す新規な創薬努力へのヒントとなるかもしれない。

