Letter
物性:グラフェン超格子におけるディラックフェルミオンのクローニング
Nature 497, 7451 doi: 10.1038/nature12187
超格子は大きな関心を呼んでいるが、それは超格子を使うと、二次元電子系のスペクトルの変調や、究極的には電子特性を調製した材料の生成が可能となるためである。これまでの研究では、周期が短く、無秩序性が弱い超格子を実現するのは難しいことがわかっており、観測されたそれらの特徴の大部分は、超格子と整合するサイクロトロン軌道によって説明できた。超格子ミニバンド(ホフスタッターの蝶として知られるフラクタルスペクトルを形成する)の形成を示す証拠は、新たな低磁場振動やランダウ準位内の内部構造の観測に限定されている。本論文では、窒化ホウ素基板の上に置き、その結晶方位に沿って正確に配置したグラフェンの輸送特性について報告する。基板のモアレポテンシャルが超格子として働き、グラフェンの電子スペクトルに大きな変化をもたらした。抵抗の明瞭なピークとして第二世代ディラック点が現れ、ホール効果の反転を伴っていた。ホール効果の反転は、グラフェンの伝導帯と価電子帯の内部で有効な電荷キャリアの符号が変化することを示している。強い磁場によって、第三世代ディラック点のZak型クローニングが生じた。これらのディラック点は、分数磁束量子の1単位が超格子単位胞を貫通する磁場中の多数の中性点として観測された。このようなグラフェン超格子から、不整合量子系で予想される豊かな物理的現象を研究する道が得られ、ファンデルワールスヘテロ構造体内部においてそれらの結晶配向を変えることで、 二次元原子結晶の電子スペクトルの変化を制御できる可能性が明らかになる。

