Letter
進化:旧世界ザルと類人猿が漸新世に分岐したことを示す古生物学的証拠
Nature 497, 7451 doi: 10.1038/nature12161
類人猿と旧世界ザルは現代のアフリカとアジアの生態系における重要な構成要素であるが、その進化史の最も初期の状況に関してはほとんどわかっていない。2000万年以上前のクラウン群狭鼻猿類の化石は発見されていないが、それとは全く対照的に、分子分岐解析ではオナガザル上科(旧世界ザル)とヒト上科(類人猿)の分岐が3000万〜2500万年前と推定されているため、両方の分岐群に長いゴースト系統(ghost lineage;存在が推定されるが化石のない系統部分)があることが示唆される。今回我々は、既知のもので最古の「類人猿」の化石を報告する。この化石は、歯の特徴を残す不完全な下顎で、それらの特徴から「ニャンザピテクス類」のステム群ヒト上科に位置付けられた。またそれとは別に、旧世界ザル分岐群の最古のステム群種のものである、下顎第三大臼歯の化石についても報告する。これら2点の標本はいずれも、東アフリカ地溝帯の西側に枝分かれした西部地溝帯の一部であるルクワ地溝(タンザニア)で、2520万年前のものと正確に年代測定された地層から発掘された。これらの知見は、類人猿および旧世界ザルの化石記録をアフリカの漸新世まで十分にさかのぼらせるものであり、クラウン群狭鼻猿類の多様化と、東アフリカ地溝帯系のこれまで知られていなかった地殻活動で生じたアフリカの景観変化との間に関連があった可能性を示唆している。

