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地球:過去3万5000年にわたる北極海中央部深部からの持続的な231Pa移出

Nature 497, 7451 doi: 10.1038/nature12145

北極海は、海氷の形成と輸送などの表面の過程、全球熱塩循環に寄与する深部での水の生成と移出を通して、地球の気候に重要な役割を果たしている。北極海深部の古海洋史を解読することは、北極海が気候変動に果たす役割の解明に不可欠な要素である。本論文では、海水中で生成され、それぞれ数十年から数百年の時間スケールで粒子により捕捉されて取り除かれる放射性核種のトリウム230(230Th)とプロトアクチニウム231(231Pa)の堆積物中の比は、北極海深部からの231Pa移出を示す一貫した証拠を記録しており、過去3万5000年間を通した北極海と大西洋の間の継続的な深層水交換を示唆している可能性があることを示す。年代がよく決まった7つのボックスコア記録から、氷期、退氷期、間氷期における北極海の堆積物への231Paと230Thの埋設に対する包括的な全体像が得られる。堆積物中の231Pa/230Th比はコア採取地点の水深の増加にほぼ比例して減少しており、その上の水柱で効率的に粒子捕捉が起き、深部で水平方向に輸送されて取り除かれる影響が大きいことを示している。測定された230Thの埋設は、北極海の海水中における生成と釣り合っているが、全ての時間間隔に対して深さ分布を積分すると、水柱内における水平方向の輸送によってのみ釣り合い得る231Paの埋設の不足が明らかになる。北極海では231Paの大きなシンクは見つかっていないので、この記録はフラム海峡を通した深層水交換によって231Paが移出された可能性を示唆している。そのような移出は過去3万5000年間継続していた可能性があり、最近の氷期以降の北極海では深層水の交換に100年スケールの時間がかかり、北極海の水が全球海洋循環へ継続して寄与していたことが示唆される。

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