Letter

物理:紫外光の全角度負屈折および能動平面レンズ効果

Nature 497, 7450 doi: 10.1038/nature12158

ヴェセラゴは数十年前に、負の電気分極応答と負の磁気分極応答を同時に示す材料があれば、逆の位相速度とエネルギー速度、つまり負の屈折率で表される条件で光が伝搬する「左手系」媒質が得られることを予測した。彼は、−1の等方屈折率を持つ左手系材料の平板があれば、自由空間で結像レンズのようにふるまう可能性があると提唱した。左手系材料は天然には存在しない上、メタマテリアルを用いて左手系の応答を実現できるようになったのは、ほんの最近のことである。メタマテリアルは、目的に合った分極応答を示すようサブ波長スケールで設計された電磁構造体である。これまで、左手系応答は一般的に、誘導容量共振器と導電性ワイヤーを持つユニットセルを周期的に配列させた共振メタマテリアルを用いて実現されてきた。マイクロ波周波数で二次元または三次元的に等方的な負屈折率が、センチメートルスケールの形状を持つ共振メタマテリアルで実現されている。左手系応答を赤外光や可視光といった高い周波数にまでスケーリングすることは、トップダウン式ナノ加工法による限界寸法のサブマイクロメートルスケールまでの縮小によって実現されている。しかし、これまでこうした小型化は、ユニットセルの対称性低下という犠牲を伴って実現され、1軸方向にだけ負の屈折率が得られるにすぎなかった。さらに、リソグラフィー法によるスケーリングに限界があるため、可視光を超える周波数で左手系応答を示す共振メタマテリアルを作製することはこれまで不可能であった。今回我々は、紫外光に対して左手系応答を示すバルクメタマテリアルを実験的に実現したことを報告する。積層プラズモニック導波路を用いた構造により、TM偏光について負屈折率を特徴とする全方向性左手系応答が得られている。我々は、広い角度範囲にわたって−1に近い負屈折率を持つように構造体を設計することで、自由空間において、近接場をこえて任意形状の二次元被写体のヴェセラゴ平面レンズ効果を実現している。我々はさらに、その平面レンズで転写した画像の能動全光変調を実証した。

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