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細胞:ラミンA/Cとエメリンは、アクチンの動態を変化させることにより、MKL1–SRF活性を調節する
Nature 497, 7450 doi: 10.1038/nature12105
ラミノパシーは、核膜タンパク質ラミンAとラミンCをコードする遺伝子LMNAの変異が原因で起こる多様な疾患の総称で、その中には、エメリー・ドライフス筋ジストロフィ(EDMD)、拡張型心筋症(DCM)、肢帯筋ジストロフィ、ハッチンソン・ギルフォード・早老症候群などが含まれる。ほとんどのLMNA変異は骨格筋や心筋に影響を及ぼすが、その仕組みは完全には解明されていない。構造的機能の喪失、そして変異ラミンと(組織特異的)転写因子との相互作用の変化とによって、組織特異的な表現型が説明できると考えられている。今回我々はマウスを用いて、ラミンA/C欠失細胞(Lmna−/−)とLmnaN195K/N195K変異細胞では、心臓の発生と機能に不可欠なミオカルディンファミリーに属する機械感受性転写因子、MKL1(巨核芽球性白血病因子1)の核移行と下流のシグナル伝達がうまく行われないことを明らかにする。MKL1の核・細胞質間輸送の変化は、Lmna−/−とLmnaN195K/N195K変異細胞におけるアクチン動態の変化が原因である。核膜タンパク質エメリンはLmna変異細胞では誤った場所に局在しており、EDMDやDCMとも関連しているが、変異細胞でエメリンを異所性発現させると、MKL1の核移行が復活し、アクチン動態も回復する。これらの知見は、ラミンA/Cとエメリンが核と細胞骨格のアクチン重合を変化させることによって遺伝子発現を調節するという新しい機構を示しており、多くのラミノパシーに見られる心臓表現型の発症因子を知る手がかりがこれによって得られる可能性がある。

