Article
構造生物学:小角散乱法によって得られた質量、モデルおよび分解能の正確な評価
Nature 496, 7446 doi: 10.1038/nature12070
現在行われているX線あるいは中性子線を用いる小角散乱(SAS)実験では、熱力学的状態に関して、分解能が限られているが包括的な測定結果が得られる。しかし、質量を見積もり、SASに基づくモデルと分解能を検証する方法は不十分だった。今回我々は、散乱強度から導かれるSAS不変量である相関体積(Vc)の特徴を明らかにした。Vcは、粒子の構造状態に特異的だが、濃度に依存せず、折りたたまれたコンパクトな粒子である必要はない。VcからQRという比が決まり、このQRによって10〜1,000キロダルトンの範囲にあるタンパク質やRNAの分子量が決定できることがわかった。我々はまた、交差検定に類似したモデルとデータの一致を評価する統計的にロバストな方法(χ2free)を考案した。この方法は、SASデータの過剰適合を防ぎ、新しく定義されたメトリックであるRSASを使えば定量的な分解能評価に適用できる。これらのメトリック(Vc、QR、χ2free、RSAS)は、溶液中巨大分子の不偏かつ正確な構造特性評価を行う解析手法となる。

