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地球:カンラン石集合体の粘性異方性の室内測定

Nature 492, 7429 doi: 10.1038/nature11671

地球マントルでは、岩石を構成する個々の鉱物粒の結晶軸が変形により強くそろって並ぶので、著しい異方性が粘性に生じる。地球力学シミュレーションに基づくと、粘性異方性の影響を著しく受ける過程には、後氷期地殻隆起、リソスフェアの沈降、沈み込み帯の上でのメルト生成などがある。しかし、単結晶の変形実験の結果に基づく粘性異方性の大きさの見積もりは、強い結晶配向を持つ集合体の変形に対する鉱物粒スケールの数値モデルにより得られた大きさと3桁も異なっている。事を複雑にしているのは、転位を緩和する粒界すべりが最上部マントルの変形を支配していることが最近の実験で示されていることであり、この機構は単結晶実験では起こらず、数値モデルにも含まれていない。本論文では、大きく変形した多結晶カンラン石の粘性異方性の直接測定を用いて、粘性率には著しい方向依存性が存在することを実証する。特に、高ひずみのねじれ実験で測定された剪断粘性率は、引き続いてねじれ軸に平行な方向で実施された引っ張り試験で測定された伸び粘性率より15倍も小さい。この異方性は、鉱物粒スケールのシミュレーションにより予測された値より約1桁大きい。これらの結果は、転位を緩和する粒界すべりが岩石の粘性率に明らかな異方性を生じさせることを示している。結晶学的に配列した鉱物粒内部を通る転位の動きによって変形速度が制約を受けるため、結晶配向が粘性異方性を与えると考えられる。地質学的に低い剪断ひずみ(約10)で異方性が最大になるので、上部マントルの変形領域は著しい粘性異方性を示すことになる。

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