Letter

医学:NIAの研究から明らかになった、アカゲザルの健康と生存にカロリー制限が及ぼす影響

Nature 489, 7415 doi: 10.1038/nature11432

カロリー制限(CR)、すなわち栄養価の高い食事の摂取量を10〜40%減らすことは、寿命と健康寿命を延ばす最も確実な非遺伝的方法であることがしばしば報じられている。CRは、老化や老化関連疾患の原因となる仕組みを解明するための実験手法として頻繁に使われている。さまざまな動物で、CRは寿命の延長に加え、それとは無関係に、多くの慢性疾患の発症を抑えたり遅らせたりすることが報告されている。最近アカゲザルで、免疫機能、運動協調性、筋肉減少症に対する抵抗性などについて、CRが有益な作用を及ぼすことが報告されている。本論文では、米国立老化研究所(NIA)で若齢と高齢のアカゲザルを使って行われたCR療法では、生存転帰に改善が見られなかったことを報告する。この結果は、ウィスコンシン国立霊長類研究センター(WNPRC)で現在進行中の研究や、少数のCRサルで行われた研究の予備的報告とは対照的である。WNPRCで行われている研究では、成体アカゲザル(7〜14歳)で開始された30%のCRに関連して生存の改善が見られることが報告されている。NIAとWNPRCはこれら2つの一見したところ類似した研究を行い、CRが健康にもたらす有益な影響を示す詳しい証拠を、長年にわたって提出してきた。WNPRCの知見は、CRについて得られた結果を実験用げっ歯類のレベルから長寿命の霊長類へと拡張したという点で重要であった。我々の研究は、健康への影響、罹病率、死亡率を分離して考えるべきであることを示唆しており、またげっ歯類で明らかになっているのと同様に、長寿命の非ヒト霊長類でも実験設計、飼育管理、飼料の組成がCRの延命効果に強く影響する可能性を示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度