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工学:梨地加工された超疎水性表面によるライデンフロスト蒸気層の安定化

Nature 489, 7415 doi: 10.1038/nature11418

ライデンフロストは1756年、十分熱いフライパンの上を水滴がすべるように動くのを観察した。この現象が起こるのは、蒸発した蒸気膜によって水滴が浮遊するからである。こうした膜は、高温表面が臨界温度を超えたときのみ安定であり、これは沸騰の中心的現象となっている。このいわゆるライデンフロスト領域では、蒸気層の熱伝導度が低いので、高温表面と液体との間の熱伝達が妨げられる。表面が冷えて臨界温度未満になると、蒸気膜は崩壊し、系は核沸騰領域に入る。その結果、原子力発電所などの特定状況では特に問題となる蒸気爆発が起こりうる。また、蒸気膜の存在により、液体–固体間の抗力を減らすことができる。今回我々は、梨地加工された超疎水性表面で、蒸気膜崩壊が完全に抑制される仕組みを示す。滑らかな疎水性表面では、臨界温度は低下するものの、冷却するとやはり蒸気膜が崩壊し、系は爆発的に核沸騰に切り替わる。これに対して、梨地状の超疎水性表面では、表面が完全に冷却されるまで、蒸気層は徐々に緩和され、核沸騰相を示さない。この結果は、超疎水材料表面のトポロジカルな梨地が、蒸気層の安定化に、ひいては熱伝達による高温表面での気液相転移の制御に重要であることを実証している。この考えは、着氷や着霜などのほかの相転移の制御や、加熱なしでも梨地の溝で蒸気相が安定化する低抗力表面の設計に応用できるかもしれない。

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