Letter

海洋:深海底を耕す

Nature 489, 7415 doi: 10.1038/nature11410

底引き網漁は非選択的な漁業技術で、海底に沿って重い網と漁具を引っ張る。この技術による魚類資源と底生群集への直接的な影響は大きな注目を集めてきたが、さらに底引き網漁は、海底堆積物の物理的性質、海水と堆積物の化学的交換、堆積物の流れを変える可能性もある。しかし、海底に対する底引き漁具による物理的攪乱に取り組んだ研究のほとんどは、これまで沿岸や大陸棚の環境で行われており、そこでは海底地形を変える底引きの能力は、堆積物の浸食、輸送、堆積を駆動するエネルギーの大きな自然過程と共存している。本論文では、大陸斜面の上部において、底引きによる深海底の再構成が、大きな空間スケールで海底の地形を徐々に変えていることを示す。我々は、底引きによって生じる漁場からの堆積物の移動や除去によって深海底の地形が、時間が経つにつれて平坦になり、その本来の複雑さを低下させることを見いだし、それを高解像度の海底の起伏量図で示した。この結果は、漁船団の工業化に続く最近数十年の間に、底引き網漁が深海地形の変化を大きく促進してきたことを示唆している。この種の漁業を全球規模で考えると、世界の海洋の多くの部分で大陸斜面の上部の地形が激しい底引き網漁によって変えられている可能性があり、陸上において農業耕作がもたらす影響に匹敵する影響が深海底に生じていると予想される。

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