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脳:僧帽細胞のネットワーク所属と感覚処理の生物物理学的特徴
Nature 488, 7411 doi: 10.1038/nature11291
哺乳類の脳の決定的な特徴の1つは、ニューロンの多様性である。脳のどの領域、どの下部構造、どの層をとっても、あるいは1つの細胞種の中にさえ、ニューロンの形態や接続性にばらつきが存在する。このような細胞特性がニューロンの種類によって大きく異なることはよく知られているが、形態的に同じグループに属するニューロンに見られるかなりの生物物理学的多様性は、通常は平均化され、無視されている。今回我々は、嗅球の僧帽細胞で記録された、過分極によって誘発される膜電位の低下幅が、局所的ネットワークと感覚情報処理の創発的で同型的な特性であることを明らかにする。細胞ペアの同時ホールセル記録をとったところ、過分極が誘発する電位低下の大きさと電流(Ih)は、同一の嗅糸球回路に属する僧帽細胞では画一的だった。このことは、IhチャネルのHCN2(hyperpolarization-activated cyclic nucleotide-gated channel 2)サブユニットの発現が、嗅糸球に基づくモザイク状パターンを示すことによっても確かめられた。さらに、1種類の嗅覚受容体だけが普遍的に発現されるよう全体的に遺伝的操作をして嗅糸球への感覚入力を変化させると、膜電位低下もHCN2タンパク質も嗅糸球間での違いがなくなる。したがって、この固有特性における集団内の多様性は、異なった嗅覚関連情報を処理する局所の僧帽細胞ネットワーク間の発現の差異を反映していると考えられる。

