免疫:NLRP6は病原細菌に対する自然免疫と宿主の防御を負に調節する
Nature 488, 7411 doi: 10.1038/nature11250
細胞内NOD(nucleotide-binding and oligomerization domain)様受容体(NLR)ファミリーのメンバーは、NF-κBやI型インターフェロン、インフラマソームシグナル伝達の活性化によって免疫応答を誘導する。NLRファミリーに属するNLRP6を欠損するマウスは大腸炎や大腸腫瘍形成を起こしやすいことが最近報告されたが、微生物感染におけるNLRP6の役割やNLRP6によって調節される炎症性シグナル伝達経路の詳細についてはまだ明らかにされていない。本論文では、Nlrp6欠損マウスがリステリア菌(Listeria monocytogenes)やサルモネラ菌(Salmonella typhimurium)、大腸菌(Escherichia coli)という病原細菌の感染に強い抵抗性を示すことを報告する。感染したNlrp6欠損マウスでは循環中の単球や好中球の数が増加しており、造血系細胞および放射線抵抗性細胞の両方でNLRP6シグナル伝達が感染に対する感受性を高める一因となっていた。Nlrp6欠損はin vitroで、Toll様受容体刺激後のマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)や標準的なNF-κB経路の活性化を増強したが、細胞質NOD1/2刺激後にはこうした活性化の増強は見られなかった。こうした増強の結果、感染したNlrp6欠損細胞では、NF-κBやMAPKに依存するサイトカインやケモカインの産生が増加した。したがって、今回の結果は、NLRP6が炎症性シグナル伝達の負の調節因子であることを明らかにしており、NLRのこの働きはグラム陽性および陰性の病原細菌の両方のクリアランスを阻害することを実証している。

