Letter
気候:二酸化硫黄を酸化する新たな大気関連オキシダント
Nature 488, 7410 doi: 10.1038/nature11278
大気における酸化は、気候変動、成層圏のオゾン消失、土壌と水の酸性化、空気の質の健康への影響など、世界的な課題である環境問題と大気化学を関連付ける重要な現象である。オゾン、ヒドロキシルラジカル、硝酸ラジカルは、汚染物質を含む微量気体の除去を始動する主要なオキシダントであると一般的に考えられている。本論文では、フィンランドにおける寒帯の森林地帯から得られた大気の観測結果を、室内実験と理論的考察による裏付けとともに示す。我々はこの結果から、もう1つ別の化合物、おそらく安定化したクリーギー中間体(2つのフリーラジカル部位を有するカルボニルオキシド)もしくはその誘導体を同定することができた。この化合物は、二酸化硫黄を酸化させるかなりの能力を持ち、ほかの微量気体も酸化できる可能性がある。この化合物はおそらく、大気の反応性を高めており、特に硫黄酸化物の生成に関してそれが著しく、結果的に大気中エアロゾルの形成を促進している。これらの知見は、大気に関連するこの新たな酸化経路は、少なくともヒドロキシルラジカルの濃度が中程度である場合には、ヒドロキシラジカルによる酸化に関して重要であることを示唆している。さらに、この化合物の酸化化学は、生物起源のアルケンの存在と密接に関連しているらしいことも見いだされた。

