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構造生物学:配座エントロピーによるタンパク質活性制御

Nature 488, 7410 doi: 10.1038/nature11271

タンパク質の構造と内部動態の間の相互作用が、タンパク質機能を調節する仕組みについてはよくわかっていない。リガンドの結合、翻訳後修飾や突然変異は、タンパク質活性を調整することが多いが、そのやり方は構造データのみを使ったのでは理論的に説明できない。タンパク質の内部運動の変化が、タンパク質活性の調節に主な役割を果たしていると考えられるが、どういう寄与をしているのか、その性質は、特に定量的には明らかではない。今回我々は、タンパク質とリガンドの相互作用が起こるかどうかを、配座エントロピーの変化が決定でき、たとえ同一の結合界面を持つタンパク質複合体間であっても決定可能であることを示す。我々は、非活性なDNA結合ドメイン状態と活性なDNA結合ドメイン状態が異なる割合で存在する複数のカタボライト活性化タンパク質(CAP)変異体で、DNA結合により引き起こされる構造および内部動態の変化をNMR分光法を使って決定した。さまざまな複合体中にあるCAP–DNA結合界面は本質的には同一であるにもかかわらず、CAP変異体はDNAに対して著しく異なる親和性を持つことがわかった。熱力学データと組み合わせると、この結果は、配座エントロピーの変化が、構造的にはDNA結合に最適の状態にとどまっているCAP変異体のDNAとの結合を阻害したり、DNA結合ドメインの活性状態が一時的に生じているだけのCAP変異体の結合活性を促進したりする場合があることを示している。まとめるとこれらのデータは、速い内部動態(配座エントロピー)と遅い内部動態(エネルギー的に励起した立体配座状態)における変化が、タンパク質の基底状態構造からは予測できない形で結合活性を調節しうる仕組みを明らかにしている。

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