Letter

進化:北米の白亜紀後期層から見つかった進化的移行段階のヘビ化石

Nature 488, 7410 doi: 10.1038/nature11227

ヘビ類は爬虫類有鱗目の中でもきわめて多様な分類群だが、移行段階の形態が確認されていないため、起源および初期進化の解明は進展していない。起源が海洋環境なのか陸上環境なのか、独特の摂餌機構はどのように進化したのかなど、重要な問題がいくつか未解決のまま残されている。白亜紀のConiophis precedensは、最初に発見された中生代ヘビ類の1つだが、これまでに記載報告されたのは分散した椎骨のみであるため、ヘビ類の進化の議論では見過ごされてきた。本論文では、この太古のヘビのものでまだ記載報告されていなかった上顎、歯骨、および追加的な椎骨などの化石について報告する。Coniophisは、これまで考えられていたようにパイプヘビ上科ではなく、ヘビ亜目の系統分析を見直した結果、知られるうちで最も原始的なヘビであることがわかった。したがって、その形態および生態は、ヘビ類の進化を明らかにするうえできわめて重要である。Coniophisの化石は大陸の氾濫原環境で見つかり、そのことは海洋ではなく陸上を起源とすることと符合する。さらに、体が小型で神経棘が小さいことは地中に穴を掘る習性を示しており、ヘビ類が地中に棲むトカゲ類から進化したことが示唆される。頭蓋はトカゲ類とヘビ類との中間形態である。鉤状の歯および下顎内関節は、Coniophisが比較的大型で体の軟らかい獲物を捕食していたことを示唆している。しかし、上顎は頭蓋と固く結合しており、このことから下顎は非可動性であると考えられる。したがって、Coniophisは進化的移行段階にあるヘビであり、ヘビ様の胴体とトカゲ様の頭部とを併有している。ヘビ類は、細長くて曲がりくねる胴体および肉食性の進化に続き、高度に特殊化した可動性の頭蓋を進化させ、その後に白亜紀初期の大規模な適応放散が起こった。このパターンは、可動性の頭蓋が重要な新機軸となり、それによってヘビ類の多様化が可能になったことを示唆している。

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