Letter

地球:地球深部マントルにおける固体–液体間の鉄分配

Nature 487, 7407 doi: 10.1038/nature11294

マントル深部の融解過程は、ハワイなどのホットスポット火山にマグマを供給していると考えられている深部由来のプリュームの起源に重要なかかわりを持っている。さらに、地球が形成されて以降、マントルが地球化学的あるいは力学的にどのように進化したかについての手がかりも与える。マントル浅部におけるメルトの生成についてはよく理解されているが、核–マントル境界近傍の深部融解については議論が続いている。深部の部分的に融解したマントルの力学的振る舞いのモデル化には、固体部分とメルト部分の密度差についての知識が必要となる。メルトの浮力は、それが正の場合でも負の場合でも、異なる地球化学的貯蔵庫の間に大きな化学的分離を生じさせうるが、正あるいは負の浮力は大きく異なる地球ダイナミクスモデルをもたらす。部分的に融解した深部マントル中での液体の上昇は、地表における火山活動に、下降は深部マグマ・オーシャンの生成に寄与していると考えられる。我々は、部分的に融解したコンドライト的物質の深部マントル条件下における相の関係を調べた。本論文では、アルミニウムを含む(Mg,Fe)SiO3ペロブスカイトと液体との間の鉄の分配係数が0.45と0.6の間であり、鉄はこれまで報告されていたほどには深部マントル鉱物と不適合ではないことを示す。固体とメルトとの間の密度差を計算すると、核–マントル境界で生成されたメルトは浮力があると予想され、したがって上向きに分離するはずである。初期地球において巨大隕石の衝突で生じたマグマ・オーシャンについて言えば、マグマの結晶化が液体を表面に押し上げ、深部に液相濃集元素の少ない固体残滓が形成されることを、この結果は示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度