Letter 宇宙:赤方偏移z = 2.18に位置するまれなグランドデザイン渦巻銀河における大きな速度分散 2012年7月19日 Nature 487, 7407 doi: 10.1038/nature11256 グランドデザイン渦巻銀河は近傍宇宙で比較的よく見られるが、赤方偏移z > 2では、1つが分光学的に確認されているだけで(HDFX 28; z = 2.011)、これも大規模な合体が投影されて渦巻構造に似ているだけなのかもしれない。渦巻の希少性は、z > 2では円盤が力学的に「高温」である結果として説明されており、こうした高温では、一般的に観測される塊状構造の形成のほうが起こりやすいと思われている。あるいは、現在の観測機器が、現代宇宙における渦巻構造と同じような渦巻構造を検出するのに十分な感度を備えていないだけということもありうる。z < 2では円盤の速度分散が減少し、渦巻銀河はz ≈ 1までより多くなる。本論文では、z = 2.18に位置するグランドデザイン渦巻銀河 Q2343-BX442の観測について報告する。イオン化したガスの分光観測は、円盤が力学的に高温であることを示しており、渦巻構造の起源が不確実であることを示唆している。この銀河の運動学的性質は、小規模な合体を起こしている厚い円盤と一致しており、この合体によって短寿命の渦巻構造の形成が促進されている可能性がある。高温で大質量の円盤中にそのような潮汐作用によって生じた渦巻構造の持続期間(duty cycle)が100 Myrより短いことは、その希少性と一致する。 Full Text PDF 目次へ戻る