Letter

物理:原子核はどのようにクラスター化するのか

Nature 487, 7407 doi: 10.1038/nature11246

核子物質は量子液体構造を示すが、場合によっては限られた原子核が陽子と中性子のクラスターからなる分子のように振る舞うことがある。クラスター化は、ベリリウムからニッケルまでの軽い原子核において周期的に見られる特徴である。クラスター構造は、対応する崩壊しきい値近くの励起状態として観測されることが多い。この現象の起源は有効原子核相互作用にあるが、原子核におけるクラスター化の詳細な機構はまだ完全には解明されていない。本論文では、エネルギー密度汎関数理論の理論的枠組を使って、原子核のクラスター的側面と量子液滴的側面の両方を含め、クラスター形成が起こる条件は部分的には原子核の閉じ込めポテンシャルの深さにさかのぼることができることを示している。実例としてネオン20を取り上げ、ポテンシャルの深さによって、変形した原子核の単一核子軌道間のエネルギー間隔と対応する波動関数の局在化が定まり、したがって核子密度のクラスター化の程度が決まることを示す。特に、相対論的汎関数は深い単一核子ポテンシャルを特徴とする。似たような基底状態の性質(結合エネルギー、変形、半径)が得られる非相対論的汎関数と比べると、相対論的汎関数ははるかにはっきりとしたクラスター構造が生じることを予想している。より一般的には、クラスター化はフェルミオン系の結晶相と量子液体相との間の相転移現象と考えられる。

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