Letter

遺伝:RsxはX染色体不活性化にXist様の作用を持つ後獣類のRNAである

Nature 487, 7406 doi: 10.1038/nature11171

雌(XX)の哺乳類では、X関連遺伝子の量が雄(XY)と等しくなるように、2つあるX染色体のうちの1つが不活性化されている。哺乳類のうち真獣類のX染色体不活性化は、非コードRNAのXistによって行われる。Xistは、後獣類(有袋類)では見つかっておらず、これらの哺乳類でX染色体不活性化が開始される仕組みについては、長年にわたって推測が行われてきた。今回我々は、有袋類ハイイロジネズミオポッサム(Monodelphis domestica)を用いて、Rsx(RNA-on-the-silent X)が、X染色体不活性化にかかわっているのと合致する特性を持つRNAであることを突き止めた。Rsxは大型で、多数の繰り返し配列を持つRNAで、雌でのみ発現し、不活性なX染色体から転写されて、不活性化X染色体を被覆する。雌の生殖細胞では、X染色体が両方とも活性化状態にあり、Rsxはサイレンシングされていて、これはRsx発現とX染色体の不活性化および再活性化の関連を示唆している。マウスの胚性幹細胞で、Rsx導入遺伝子を常染色体に組み込むと、シスで遺伝子のサイレンシングが引き起こされる。我々の結果は、哺乳類におけるX染色体不活性化の比較研究を可能にし、真獣類でX染色体不活性化が達成された機序について疑問を投じるものだ。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度