Letter 物性:ゲートで調整可能なグラフェンプラズモンの光ナノイメージング 2012年7月5日 Nature 487, 7405 doi: 10.1038/nature11254 光場と光のエネルギー流を操作する能力は、最新の情報・通信技術や、量子情報処理方式の中核を成している。しかし、光子は電荷を持たないため、電気的な手段によってそれらを効率よく制御するのが困難なことはこれまでにわかっている。グラフェンにおけるプラズモンポラリトン(光子と電荷キャリアが結合した励起)を介する方法は、光を電気的に制御する有望な方法となる可能性がある。この炭素原子の二次元シートでは、プラズモンポラリトンとそれに伴う光場は、グラフェンのキャリア密度を変えることで電気的に容易に調整できると予想される。最近、光学グラフェンプラズモン共鳴を示す証拠が分光法によって得られたが、実空間を伝搬するプラズモンを直接解像した実験はこれまでなかった。本論文では、赤外励起光と近接場散乱顕微鏡法を使って、先細にしたグラフェンナノ構造体中を伝搬する光学プラズモンを生成し、検出した。プラズモン場の実空間画像が得られ、得られたプラズモン波長が非常に短く、照射光の波長の40分の1以下であることがわかった。光場のこの強い閉じ込めを利用して、グラフェンナノ構造体を、モード体積がきわめて小さい調整可能な共鳴プラズモン共振器にした。共振器の共鳴は、グラフェンのゲーティングによりin situで制御され、特にプラズモンモードの完全なオン・オフスイッチイングが実証された。したがって、グラフェンを用いる光トランジスタへの道が開かれたことになる。ナノエレクトロニクスとナノ光学のこのような協調が成功したことから、サブ波長スケールの能動光学素子や多数のナノ光エレクトロニクスデバイス、調整可能なメタマテリアル、ナノスケールの光学処理、量子デバイスやバイオセンシング用途向けの増強された光–物質相互作用などの機能性を開発することが可能となる。 Full Text PDF 目次へ戻る