Letter 古人類学:アウストラロピテクス・セディバの食生活 2012年7月5日 Nature 487, 7405 doi: 10.1038/nature11185 南アフリカのマラパ地方の遺跡で見つかったアウストラロピテクス・セディバ(Australopithecus sediba)の化石標本(約200万年前のもの)には、この分類群をアウストラロピテクス属のほかの種、あるいは初期のヒト属と結びつける、原始的形質および派生的形質が混在している。アウストラロピテクス・セディバの現在見つかっている頭蓋や頭部より後方部位の化石の多くについては記載報告がなされているが、その摂食の生態学的特性に関してはまだ調べられていない。本論文では、初期ヒト族の歯石から植物化石を初めて抽出したことによって得られた結果について報告する。また、古環境に関する新たな証拠を参照して、アウストラロピテクス・セディバの炭素安定同位体と歯の微小な摩耗のテクスチャー解析データについて考察した。調べた2個体は、ほとんどC3植物だけを摂食していた。これにはおそらく硬めの食物が含まれており、双子葉植物(木の葉、果実、木部、樹皮など)、単子葉植物(イネ科やカヤツリグサ科スゲ類など)の両方が含まれていたと思われる。アルディピテクス・ラミドゥス(Ardipithecus ramidus、約440万年前)や現代のサバンナ地帯のチンパンジーと同様に、アウストラロピテクス・セディバも、広く入手可能なC4型資源よりもC3型食物を好んで食べていた。C3型の単子葉植物や樹木の木部もしくは樹皮の摂食が推定されたことで、初期ヒト族の食物の種類がこれまで知られていたより多くなった。この2個体の全体的な食餌パターンは、この地域やほかの地域に住んでいたほかのヒト族について得られているデータとは対照的である。 Full Text PDF 目次へ戻る