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医学:気道表面のpHの低下が、ブタ嚢胞性繊維症肺での細菌の殺滅を妨げる

Nature 487, 7405 doi: 10.1038/nature11130

嚢胞性繊維症(CF)はCFTR(cystic fibrosis transmembrane conductance regulator)遺伝子の変異によって起こる病気で、寿命の短縮につながる。罹患や死亡のほとんどは、肺の細菌感染やその結果起こる炎症が原因だが、CFTRの機能喪失が最初に宿主の気道防御を破壊する仕組みはまだ解明されていない。新生CF気道の清潔な表面に初めて細菌が接触したときに、どのような異常が排除を妨げるのかを調べるため、固体グリッド上に特定の細菌を固定して気道表面に置き、細菌の生存率を調べた。モデルとしては、CF肺の特徴的症状が自然発生するCFブタを用いた。このCFブタの肺は、誕生時には感染も炎症も認められないが、細菌を排除する作用は低下している。今回我々は、野生型ブタ新生仔の場合には、気道表面液(ASL)の薄い層が、in vivoでも、肺から取り出されても、また一次培養上皮でも、迅速に細菌を死滅させることを明らかにする。しかしCFTRがないと、殺菌作用が低下した。CFブタでは、ASLのpHが酸性側に傾き、このpH低下がASLの抗菌作用を阻害することがわかった。野生型ブタでもASLのpHを下げると殺菌作用が弱まり、逆にCFブタでもASLのpHを上げると殺菌作用が回復した。これらの結果は、宿主防御の第一段階の異常とCFTR喪失とを直接結びつける。CFTRはHCO3輸送を促進する陰イオンチャネルで、これがないと気道上皮のHCO3分泌ができなくなり、ASLのpHが低下して抗菌作用が阻害される。そのため、新生仔肺に侵入した細菌の殺菌が妨げられる。これらの知見は、ASLのpHを上げればCF患者の初期感染を防げる可能性があることを示しており、また殺菌力の検査が、治療的介入の効果を知る目安になる可能性をも示している。

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