Letter 細胞:SIRT7はH3K18脱アセチル化と発がん性形質転換の維持を関連付ける 2012年7月5日 Nature 487, 7405 doi: 10.1038/nature11043 サーチュインタンパク質は、ゲノム安定性、代謝および加齢に影響を与えるさまざまな細胞経路を調節する。SIRT7は哺乳類サーチュインで、その生化学的活性、分子標的および生理学的機能は明らかになっていない。本論文では、SIRT7が、NAD+依存性H3K18Ac(ヒストンH3のアセチル化リシン18)デアセチラーゼであり、がん細胞の形質転換状態を安定化していることを報告する。全ゲノム結合解析により、SIRT7が特定の遺伝子標的のプロモーターに結合し、そこでH3K18Acを脱アセチル化して、転写抑制を促進することが明らかになった。SIRT7の標的遺伝子群は、がん関連遺伝子であるE26 transformed specific(ETS)転写因子ELK4との相互作用によって一部決まり、また、腫瘍抑制に関連する多数の遺伝子から構成される。注目すべきことに、H3K18Acの選択的な低アセチル化は、発がん性形質転換に、また患者では、悪性腫瘍表現型や予後不良に関連している。SIRT7によるH3K18Acの脱アセチル化は、足場非依存性増殖や接触阻害の喪失などの、ヒトがん細胞に必須な特徴の維持に必要であることがわかった。そのうえ、SIRT7はアデノウイルスE1Aがん遺伝子による細胞形質転換にかかわる全体的なH3K18Acの低アセチル化に必要である。最後に、SIRT7を抑制すると、ヒトがん細胞のマウスへの異種移植における腫瘍形成能が著しく低下する。すなわち、我々の研究は、SIRT7がきわめて選択性の高いH3K18Acのデアセチラーゼであり、クロマチンの調節、細胞の形質転換過程、およびin vivoでの腫瘍形成に非常に重要な役割を果たすことを実証している。 Full Text PDF 目次へ戻る