Volume 485 Number 7399

Editorials

福島第一原発事故への対応で、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)は、その存在意義を明確に示した。

p.415

doi: 10.1038/485415b

気候工学手法による温暖化対策について、早急に国際的な規制の枠組みを作る必要がある。

p.415

doi: 10.1038/485415a

ナガスクジラ類の新しい感覚器官の発見により、独特な捕食様式の謎が明らかになった。

p.416

doi: 10.1038/485416a

News

福島第一原発事故による健康リスクはごく小さいとの調査結果が。

Fukushima’s doses tallied p.423

doi: 10.1038/485423a

発展途上国の生物学実験室のずさんな安全管理に、強い懸念が。

p.425

doi: 10.1038/485425a

米政府が、アルツハイマー病の予防、治療の研究に力を。

p.426

doi: 10.1038/485426a

国際協同研究を推進しようと、各国の研究機関が、共通の基盤の整備へ。

p.427

doi: 10.1038/485427a

ハッブル宇宙望遠鏡が、謎の太陽系外惑星の観察に再挑戦へ。

p.428

doi: 10.1038/485428a

成層圏エアロゾル注入により日光を遮ろうという、SPICE計画の実験が中止に。

Cancelled project spurs debate over geoengineering patents p.429

doi: 10.1038/485429a

除草剤耐性を持つ雑草が急増しており、対策が急務に。

p.430

doi: 10.1038/485430a

News Features

政策:バイオセキュリティーの監視

p.431

変異インフルエンザウイルス論文の発表をめぐる論争で、米バイオセキュリティー国家科学諮問委員会(NSABB)のあり方が問われている。

doi: 10.1038/485431a

地下の物理学:物理学の部屋

p.435

イタリアのグランサッソ地下物理学研究所はこれまで順調な歩みを見せてきたが、その先行きは不透明である。

doi: 10.1038/485435a

News & Views

フォーラム:気候変動:温室での開花

p.448

しだいに上昇する気温に対して植物が示す反応を予測するのは、気候変動の全球的影響の評価に不可欠である。だが、ある比較研究は、温暖化実験は実際に観察されるデータを正確に表していない可能性があると断言している。今回、気候研究者と植物学研究者が生態系科学をどのように進展させるべきかを討論した。

doi: 10.1038/485448a

応用化学:分子と材料の出会い

p.450

無機半導体の1つが、色素増感太陽電池で一般的に使われてきた液体電解質を代替できることが示された。この成果は、このようなデバイスでもっと安定なものを、もっと容易に製造できる方法を示している。

doi: 10.1038/485450a

アルツハイマー病:血液脳関門中の裂け目

p.451

マウスでは、アルツハイマー病に関係する神経障害に先立って脳の血管に変化が生じる。この知見は、薬剤開発の標的候補をはっきり示している。

doi: 10.1038/485451a

地球化学:「成人式」当時の地球の状態

p.452

地球化学的データの解析から、およそ25億年前に地球のマグマの成分にかなりの変化が生じたことが明らかになった。これは地球の大気と気候が急激に変化した時期に一致している。

doi: 10.1038/485452a

神経科学:明瞭に見える脳

p.453

脊椎動物がバーチャル環境と相互作用している際の神経活動の脳全体にわたるパターンが、巧妙な方法により、細胞レベルで監視できるようになった。

doi: 10.1038/485453a

素粒子物理学:美しい標準モデルを思い出させる結果

p.455

弱い核力を媒介する2個の基本粒子の1つであるWボソン粒子の質量を測定した最新結果は、素粒子物理学の標準モデルの非常な美しさを強く思い出させるものである。

doi: 10.1038/485455a

宇宙物理学:すばらしいスーパーフレア

Astrophysics: Startling superflares p.456

我々の太陽にきわめてよく似た恒星では、太陽でかつて見られた最大のフレアよりもエネルギーが100万倍以上高いフレアが発生することがある。このようなスーパーフレアを詳しく調べることが、ケプラー衛星によって初めて可能となった。

doi: 10.1038/nature11194

Articles

進化:ペルオキシレドキシンは、概日リズムの保存されたマーカーである

Peroxiredoxins are conserved markers of circadian rhythms p.459

doi: 10.1038/nature11088

細胞:Rab5はin vivoでのエンドリソソーム系生合成に必要である

Rab5 is necessary for the biogenesis of the endolysosomal system in vivo p.465

doi: 10.1038/nature11133

脳:ゼブラフィッシュの運動適応時における脳全体にわたる神経活動動態

Brain-wide neuronal dynamics during motor adaptation in zebrafish p.471

doi: 10.1038/nature11057

Letters

量子情報科学:光共振器における調整可能なイオン–光子エンタングルメント

Tunable ion–photon entanglement in an optical cavity p.482

doi: 10.1038/nature11120

化学:高い効率を示す全固体色素増感太陽電池

All-solid-state dye-sensitized solar cells with high efficiency p.486

doi: 10.1038/nature11067

地球:統計的地球化学によって明らかになった、永続的リソスフェア進化に約25億年前に生じた途絶

Statistical geochemistry reveals disruption in secular lithospheric evolution about 2.5 Gyr ago p.490

doi: 10.1038/nature11024

環境:温暖化実験では気候変動に対する植物の生物季節学的応答が過小に見積もられている

Warming experiments underpredict plant phenological responses to climate change p.494

doi: 10.1038/nature11014

生理:ナガスクジラ類の突進採餌を調整する感覚器の発見

Discovery of a sensory organ that coordinates lunge feeding in rorqual whales p.498

doi: 10.1038/nature11135

遺伝:黒色腫ゲノムの塩基配列解読によって明らかになった頻発性のPREX2変異

Melanoma genome sequencing reveals frequent PREX2 mutations p.502

doi: 10.1038/nature11071

神経:eIF2α-Pによる持続的翻訳抑制は、プリオン神経変性を仲介する

Sustained translational repression by eIF2α-P mediates prion neurodegeneration p.507

doi: 10.1038/nature11058

神経:アポリポタンパク質EはシクロフィリンAによって脳血管の完全性を制御する

Apolipoprotein E controls cerebrovascular integrity via cyclophilin A p.512

doi: 10.1038/nature11087

細胞:解糖活性のあるオリゴデンドロサイトはミエリンおよび長期にわたる軸索完全性を維持する

Glycolytic oligodendrocytes maintain myelin and long-term axonal integrity p.517

doi: 10.1038/nature11007

細胞:真菌での選択的スプライシングや終止コドン読み過ごしによって起こる、隠れたペルオキシソーム送達

Cryptic peroxisomal targeting via alternative splicing and stop codon read-through in fungi p.522

doi: 10.1038/nature11051

細胞:転位中のリボソームに存在するtmRNA-SmpBとEF-Gの複合体

The complex of tmRNA-SmpB and EF-G on translocating ribosomes p.526

doi: 10.1038/nature11006

進化:カルコンイソメラーゼの折りたたみにおける、脂肪酸結合タンパク質から立体特異的触媒への進化

Evolution of the chalcone-isomerase fold from fatty-acid binding to stereospecific catalysis p.530

doi: 10.1038/nature11009

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