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生態:ホワイトフィッシュ類の適応放散では富栄養化が種分化の逆転の原因となっている

Nature 482, 7385 doi: 10.1038/nature10824

種の多様性は、相異なるが相互作用していると考えられる2つの絶滅過程を介して低下する可能性がある。その1つは個体群統計学的な減少であり、もう1つは移入交雑による種分化の逆転(speciation reversal)である。これら2つの過程の相対的な寄与度を調べるため、我々は、ヨーロッパのプレアルプス地方にある17の湖沼のホワイトフィッシュ類の反復的な放散に関して得られている過去および現代のデータを分析し、過去の試料を用いて遺伝的種分化の経時変化を再構築した。本論文では、種の多様性が生態学的機会に応じて発達したこと、また富栄養化がこういう機会の縮小により、種分化の逆転および個体群統計学的な減少を通じて絶滅を推進させてきたことを示す証拠を報告する。放散全体にわたり、種数減少のパターン、および残存種間の遺伝的および機能的な独自性のレベルは、富栄養化の程度によって説明される。我々は、種分化の逆転による絶滅が、現在認められている以上に広く起こっていると考える。そのような絶滅を防止するには、保全活動で、既存の生物種を対象とするだけでなく、種を形成および維持する生態的および進化的な過程を見つけ出してそれらを保護することが必要だろう。

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