Letter 細胞:塩基性アミノ酸側鎖は膜を介するインテグリンシグナル伝達を調節している 2012年1月12日 Nature 481, 7380 doi: 10.1038/nature10697 膜貫通ドメイン(TMD)で、細胞膜と水の界面近くに位置するLys/Arg側鎖は、その正電荷が負電荷を帯びたリン脂質の頭部の近くに来るように配置されていてシュノーケルのように働き、タンパク質を膜内に維持するとされているが、その機能的影響はよくわかっていない。インテグリンβのTMDにも、そのような保存された塩基性アミノ酸が存在する。今回我々は、核磁気共鳴分光法を使って、インテグリンβ3(Lys716)が、β3 TMDのトポグラフィー決定を助けていることを明らかにする。αIIbβ3 TMD構造は、β3 TMDが正確な交差角度で傾くことで、細胞膜の外側および内側にαおよびβ TMDをまとめる留め金となる結合ができて、膜を介したシグナル伝達が制限されることを示している。β3(Lys716)の変異によってαIIbβ3 TMDの解離が起こり、インテグリンが活性化された。β3(Lys716)変異体のトポグラフィーの変化によってαIIbβ3が活性化されたことを確かめるため、β3(K716A)の定方向進化を用いて、デフォルト状態を回復する置換を突き止めた。β3 TMDの中心にPro(711)を導入すると(A711P)、αIIbβ3 TMDの会合が強化され、インテグリンαIIbβ3(A711P、K716A)が不活性化された。β3(Pro711)によって膜外側の結合部と膜内側の結合部のちょうど境界に当たるところに30±1°のTMDのねじれが生じ、これらの領域間で傾きが連動しなくなる。したがって、TMDに広く見られるシュノーケル効果を持つ残基は、TMDのトポグラフィーの維持と膜への埋め込みを助け、それによって膜を介するシグナル伝達を調節している。 Full Text PDF 目次へ戻る