Letter 気候:黄道傾斜角と歳差運動の複合による更新世後期の退氷の整調 2011年12月8日 Nature 480, 7376 doi: 10.1038/nature10626 ミランコビッチは、地球の自転軸が傾いて傾斜角が大きくなり、かつ歳差運動によって北半球の夏と地球の近日点がそろう時期に、地球は間氷期の状態になる、と提唱した。このおおまかな考えが練り上げられて、歳差運動、黄道傾斜角、またはその両者の組み合わせによって更新世後期における退氷が整調されている可能性があるという仮説が作られた。従来の検証では、黄道傾斜角によって更新世後期の氷期サイクルが整調されることは示されているが、歳差運動に関しては、その周期が約2万年と短いために、位相整合が年代測定の誤差により敏感になるため、結論が出ていない。定量的検証からは、2つが組み合わさって及ぼす影響を示す確かな証拠も得られていない。本論文では、黄道傾斜角と歳差運動の両方によって、更新世後期の氷期サイクルが整調されることを示す。退氷に対する軌道の影響を確立する試みを長い間妨害してきた時間的管理の不完全さは、軌道強制力の極大値に注目した新しい統計的検証法を用いて克服されている。今回の結果は、ミランコビッチの提案と十分に一致するだけでなく、長い南半球の夏が退氷に寄与した可能性も認めている。 Full Text PDF 目次へ戻る