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生態:ヒトのマイクロバイオームをつなぐ大規模な遺伝子交換ネットワークの1つは生態的特性によって駆動されている

Nature 480, 7376 doi: 10.1038/nature10571

親以外の系統から遺伝物質を獲得する遺伝子の水平伝播(HGT)は、細菌の進化に重要であることが知られている。特に、HGTによって遺伝的な新機軸が迅速に獲得され、ヒトのマイクロバイオーム内への病原性、抗生物質耐性、生体異物代謝などの形質の拡散が可能になる。人体における活発な遺伝子流動の一端をとらえた近年の事例的研究は、そうした最近の伝播の頻度およびそのような事象を支配する力を明らかにする必要性をはっきりさせている。今回我々は、ヒトに関連する巨大な遺伝子交換ネットワークの1つを発見し、その特徴を解析した。このネットワークの大きさは、HGTを形作る主要な力を直接比較するのに十分な規模である。2,235種類の細菌の全ゲノムに認められる最近伝播した(塩基の一致度が99%を超える)10,770個の固有遺伝子からなるこのネットワークは、基本的には地理的特性でも系統分類的特性でもなく生態的特性によって形作られており、遺伝子交換の大部分は、生態的には類似しているが地理的には離れた環境の分離株の間で起こっていることがわかった。例えば、ヒトに関連する細菌間でのHGTは、生態的に多様な非ヒト分離株どうしの25倍も観察される(P = 3.0×10−270)。ヒトのマイクロバイオーム内では、この生態的構造が、さまざまな空間規模、機能的種類、および生態的ニッチをまたいで連続しており、体内の生息部位が同一か、酸素耐性が同等、もしくは疾患を引き起こす能力が同程度の細菌の間では、伝播がさらに強化されていることがわかった。この構造は、生態的ニッチを規定する分子形質を明らかにするための手がかりとなり、これは、抗生物質耐性の供給源の解明および髄膜炎などの疾患の病理に関連する遺伝子の同定に有用である。

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