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遺伝:シロイヌナズナのメチロームにおける自然発生的なエピジェネティック変異

Nature 480, 7376 doi: 10.1038/nature10555

差異的なシトシンメチル化など、遺伝しうるエピジェネティック多型は、表現型の変動の原因となることがある。野生型のシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)では多くのエピ対立遺伝子に差異があり、これが周辺の遺伝子の発現に影響を及ぼしている可能性がある。しかし、エピ対立遺伝子が進化に果たす役割を解明するには、エピ対立遺伝子の出現頻度や安定性を、構造変化によらないものも含めて確定する必要がある。我々は、30世代前の共通の祖先から派生した10系統のシロイヌナズナについて、ゲノム全域のDNAメチル化を比較した。個別の位置にあるエピ変異は容易に検出され、各系統で30,000近くのシトシンが差異的にメチル化されていた。これに対して、メチル化が連続した広い領域ははるかに安定で、変化の頻度はDNA変異と同程度に低かった。個別の位置のメチル化と同様に、差異的なメチル化は別々の系統の同じ領域に起こっている場合が多く、突然変異と復帰突然変異が繰り返し起こっていることの証拠が得られた。転位因子と短鎖干渉RNAは、DNAメチル化の原因であるとされている。差異的メチル化の起こっている部位が、変化のない部位に比べて転位因子からは遠く、短鎖干渉RNAの発現との関連が低かったことは、この考え方と一致する。エピジェネティック変異の偏った分布と頻繁に起こる復帰変異は、塩基配列に依存しないエピ対立遺伝子が植物の進化に寄与した可能性を考えるうえで重要な影響がある。

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