Letter 量子情報科学:固体状態スピン量子レジスターの高忠実度の射影読み出し 2011年9月29日 Nature 477, 7366 doi: 10.1038/nature10401 結合した量子系の初期化と読み出しは量子アルゴリズムを実行するため必須の要素である。多量子ビット(多キュービット)レジスターの状態をシングルショットで読み出すことができれば、量子相関(エンタングルメント)を直接研究でき、量子誤り訂正や決定論的量子テレポーテーションなどのさらに重要なリソースに手が届くだろう。固体中のスピンはスケーラブルな量子情報処理に適した魅力的な候補であるが、それらのシングルショット検出は孤立したキュービットでしか実現されていない。我々は、元々は原子物理学で開発された共鳴光励起法を実行して、低温の固体系における多スピン量子レジスターの調製と測定を実証した。ダイヤモンド中の単一の窒素空格子点中心に伴う電子スピンの高忠実度読み出しを実現し、この読み出しを使って、近くにある核スピンキュービットを最大3個まで、明確に定義された状態へ射影した。それとは反対に、その状態を電子スピンへ写像し、続いて測定することにより、シングルショットで核スピンの状態を識別できた。また、キュービット制御との両立性も明らかにした。すなわち、より大きなレジスターへの拡張に適した方法を使って、2キュービットレジスターについて1回の実験で初期化、コヒーレント操作、シングルショット読み出しを実証した。これらの結果は、固体状態スピンでのベル不等式の検証や測定に基づく量子情報プロトコルの実装を行う道を開く。 Full Text PDF 目次へ戻る