Letter 細胞:細菌リガンドのNAIPによる自然免疫認識はインフラマソームの特異性を決定する 2011年9月29日 Nature 477, 7366 doi: 10.1038/nature10394 インフラマソームは、細胞質の多タンパク質複合体のファミリーで、プロテアーゼであるカスパーゼ1の活性化により病原微生物に対する自然免疫応答を開始する。遺伝学的データで、免疫防御および炎症性疾患におけるインフラマソームの重要な役割が裏付けられているものの、個々のインフラマソームが特定の刺激に応答する分子基盤はほとんど解明されていない。NLRC4(NLR family, CARD domain containing 4)タンパク質を含むインフラマソームは、フラジェリンおよびPrgJ(病原体関連III型分泌系の保存された構成要素)という2個のそれぞれ異なる細菌タンパク質に応答して活性化されることがこれまでに示されている。しかし、NLRC4と、フラジェリンあるいはPrgJとの直接の結合はこれまでに示されていない。NLRC4のホモログであるNAIP5(NLR family, apoptosis inhibitory protein 5)はNLRC4の活性化に関与しているとされているが、NLRC4の活性化に必要でないことも多く、そのためNAIP5は補助的な役割のみを担っていると広く考えられている。しかし、Naip5はある小さな多重遺伝子族に属しているため、Naip遺伝子間で重複および機能の特殊化がある可能性が考えられる。本論文では、マウスでさまざまなNAIPパラログが、別々の細菌リガンドに対するNLRC4インフラマソームの特異性を決定することを示す。特に、細菌のPrgJによる内因性NLRC4の活性化にはNAIP2(NAIP遺伝子ファミリーのこれまでには特徴が明らかになっていないメンバー)が必要であるが、NAIP5とNAIP6は、細菌のフラジェリンに対する応答特異的に、NLRC4を活性化することがわかった。さらに、NLRC4インフラマソームの再構築系を用いて、NAIPタンパク質の必要性の基盤となる生化学的機構を検討した。NAIPタンパク質はNLRC4のリガンド依存的なオリゴマー化を制御すること、また、NAIP2–NLRC4複合体は物理的にPrgJと会合するが、フラジェリンとは会合しないこと、その一方で、NAIP5–NLRC4はフラジェリンと会合するが、PrgJとは会合しないことがわかった。我々の結果は、NAIPが免疫センサータンパク質であることを明らかにし、また、NAIP–NLRC4インフラマソーム活性化の単純な受容体–リガンドモデルに対する生化学的証拠を示している。 Full Text PDF 目次へ戻る