Article 細胞:膜へ挿入される尾部係留タンパク質が膜に結合する際の仕組み 2011年9月1日 Nature 477, 7362 doi: 10.1038/nature10362 小胞体に送られる尾部係留(TA)膜タンパク質は、シャペロンの働きをする細胞質のターゲッティング因子によって膜受容体へと運ばれ、膜に挿入される。TAタンパク質認識の基本的仕組みは明らかになりつつあるが、ターゲッティングと膜への挿入という決め手となる段階については解明されていない。今回我々は、精製した成分を使ってTAタンパク質の挿入サイクルを再構築し、これらの成分から作られる複数の重要な複合体の結晶構造を明らかにし、この構造に基づいて変異解析を行った。TAタンパク質がシャペロンとして働くATPアーゼGet3と結合した結果、ターゲッティング用の複合体が形成され、これがGet2との相互作用を介してまず膜へと運ばれることが明らかになった。ターゲッティング複合体が膜へと運ばれてしまうと、Get1がGet3と結合して、ATPアーゼに依存した反応が起こり、TAタンパク質が遊離される。運んできたTAタンパク質を放出して積み荷のなくなったGet3は、細胞質へと戻り、同時にATPが結合する。この研究は、最小限のTAタンパク質挿入サイクルの詳細な構造と機構の枠組みを明らかにしている。 Full Text PDF 目次へ戻る