Article 細胞:ヒトT細胞免疫不全症から明らかになったMg2+のセカンドメッセンジャーとしての役割 2011年7月28日 Nature 475, 7357 doi: 10.1038/nature10246 マグネシウムイオン(Mg2+)はATP、DNAやRNAなどのポリリン酸、そして代謝酵素の補因子としてすべての生命体に不可欠だが、Ca2+のように細胞内シグナル伝達にかかわっているかどうかはわかっていない。今回我々は、CD4リンパ球減少、重篤な慢性ウイルス感染とTリンパ球活性化障害を特徴とする新規なX染色体性ヒト免疫不全症で、マグネシウム輸送体遺伝子MAGT1に変異が生じていることを明らかにする。正常T細胞では抗原受容体刺激によって、非リンパ球では増殖因子刺激によって、迅速で一過性のMg2+流入が誘導されることが示される。MAGT1を欠損させるとこのMg2+流入が消失し、T細胞ではそれが抗原受容体結合に対する応答の障害につながって、ホスホリパーゼCγ1の活性化障害や、Ca2+流入の著しい異常などが起こるが、B細胞ではこういう現象は見られない。以上の結果は、Mg2+は細胞内セカンドメッセンジャーとして働いて、細胞表面受容体活性化と細胞内エフェクターを結びつけていることを明らかにしており、またMAGT1が新規治療の標的候補になることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る