太陽外部大気を数百万度に加熱し、太陽風を毎秒数百キロメートルに加速するには、エネルギーが必要である。アルべーン波(イオンと磁場の進行性の振動)は、太陽の磁力線に沿って磁気対流エネルギーをコロナに向けて上方に輸送する機構であると考えられてきた。コロナのアルべーン波の以前の観測では、振幅があまりにも小さすぎて(0.5 km s−1)、高速な太陽風の駆動、あるいは静穏コロナの輻射損失を埋め合わせるのに必要とされるエネルギーフラックス(100〜200 W m−2)を供給できないことが示された。本論文では、遷移領域(彩層とコロナの間)とコロナの観測から、アルべーン波様の運動が、動的で微細な構造を持つ太陽外部大気にどのように広がっていくかを明らかにした観測結果について報告する。観測された、広範囲にわたって存在し外側へと伝播するアルべーン波様の動きは、静穏な大気全体にわたって20 km s−1 程度の振幅と100〜500 s程度の周期を持ち(最近の研究と一致する)、高速な太陽風の加速と静穏コロナの加熱に十分なエネルギーを持っている。