Letter 生化学:GXGD膜結合型プロテアーゼFlaKの結晶構造 2011年7月28日 Nature 475, 7357 doi: 10.1038/nature10218 GXGDプロテアーゼは、膜貫通基質に対する触媒活性に一対のアスパルチル残基を必要とする複数回膜貫通型膜タンパク質である。このプロテアーゼファミリーの代表的なメンバーには、プレフラジェリンペプチダーゼ、4型プレピリンペプチダーゼ、プレセニリンやシグナルペプチドペプチダーゼなどが含まれる。多くのGXGDプロテアーゼは医学的に重要である。例えば、4型プレピリンペプチダーゼは細菌の病原性にかかわっている可能性があり、プレセニリンの変異はアルツハイマー病と関連付けられている。しかし、このプロテアーゼファミリーの原子分解能での構造はまだ明らかにされていない。今回我々は、メタン生成古細菌であるMethanococcus maripaludis由来のプレフラジェリンペプチダーゼの1つであるFlaKの、3.6 Å分解能で解かれた結晶構造を報告する。この構造は、6本の膜貫通ヘリックスを含んでいる。GXGDモチーフと短い膜貫通ヘリックスであるヘリックス4が中央に位置し、その周囲を他の膜貫通ヘリックスが囲んでいる。この結晶構造から、触媒反応のためにプロテアーゼはコンホメーション変化を起こしてGXGDモチーフと膜貫通ヘリックス1の2番目の重要なアスパルチル残基とを近接させなければならないことが示唆される。この結晶構造を、生化学解析から導かれたプレセニリンのモデルと比較すると、共通の3つの膜貫通セグメントが活性部位の周りに同じように配置されていることが明らかになる。この観察結果は、原核生物とヒトのプロテアーゼが進化的に近縁であるという考えを裏付けている。今回示された結晶構造は、GXGDプロテアーゼの反応機構を理解するための枠組みとなり、このファミリーの特定のメンバーを標的とする阻害剤の合理的設計を容易にすると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る