Letter 医学:レット症候群の進行に果たすグリア細胞の役割 2011年7月28日 Nature 475, 7357 doi: 10.1038/nature10214 レット症候群(RTT)は、転写因子メチル-CpG結合タンパク質2(MeCP2)の機能喪失によって引き起こされるX染色体連鎖型の自閉症スペクトラム障害である。MeCP2は大半の組織で発現されるが、MeCP2の発現喪失は、主として神経症状を引き起こす。初期の研究では、ニューロンにおけるMeCP2の機能喪失がRTTの唯一の原因だとする見解が示されていた。欠陥ニューロンが異常行動の根底にあることは明白であるが、我々および他のグループは最近、グリア細胞からMECP2を欠失させると、ニューロンに細胞非自律的に負の影響が及ぶことを明らかにしている。今回我々は、全身的にMeCP2を欠損するマウスで、アストロサイトに選択的にMecp2を再発現させることにより、全身ヌルのマウスと比較して運動および不安のレベルが有意に改善され、呼吸異常が正常なパターンへと回復し、寿命が大きく延長されたことを示す。さらに、in vivoで変異アストロサイトのMeCP2を回復させると、変異ニューロンに細胞非自律的な正の効果が現れ、正常な樹状突起の形態が回復し、興奮性グルタミン酸輸送体VGLUT1の量が増加した。今回の研究は、ニューロンと同様、グリア細胞がRTTの神経病理に不可欠な要素であることを示すとともに、グリア細胞を標的とすることがRTTの随伴症状を改善するための治療戦略となることを裏付けるものである。 Full Text PDF 目次へ戻る