Letter 気候:米国南西部で更新世の間氷期に起こった長期にわたる大規模干ばつ 2011年2月24日 Nature 470, 7335 doi: 10.1038/nature09839 米国南西部の半乾燥地域で、人為起源の気候変動と連結して干ばつの頻度と厳しさが増大する可能性は深刻に懸念されている。計器観測期間における複数年にわたる干ばつや、過去2,000年間に起こった10年程度の長さの干ばつは、温暖化の結果起こると予測されている、数十年から100年にわたって持続する、永続的で「黄塵地帯に似た」将来起こる大規模干ばつよりも短期間であり、気候的にも異なっている。これまでに、このような大規模干ばつが米国南西部で起こっていたのかどうか、もし起こっていたのなら、その規則性と強さがどのようなものだったのかははっきりしていない。本論文では、更新世中期の間氷期に、数百年から数千年間持続した乾燥期が米国南西部で生じていたことを示す。古温度の分子代理指標を用いて、ニューメキシコのバイエスカルデラから得られた、更新世中期の湖底堆積物の年平均温度(MAT)を再構築した結果、間氷期の最も温暖な時期に最も乾燥した状況が生じ、その期間のMATは現在と同程度かより高かったことがわかった。この温暖で乾燥した期間に、乾燥に強いC4植物群衆が衰退したことは、おそらく亜熱帯乾燥帯の極側への移動に応答して、夏の降水が著しく減ったことを示している。振幅が約2 °CのMATサイクルが、海洋酸素同位体ステージ(MIS)11の期間に3回生じ、この間氷期における弱い歳差周期に対応したものらしい。MIS 11に比べて、MIS 13は歳差周期の振幅とMAT変動(4〜6 °C)がより大きく、より長期の温暖化を経ており、これらのことから米国南西部での間氷期気候変動では、地域的な日射変動が重要だったことが示唆される。MIS 11初期の気候記録と完新世の記録との比較からは多くの類似点が明らかになり、人為起源の強制力がなければ、この地域はもっと寒冷で湿潤な時期に入っていたものと考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る